小麦粉作りからこだわり抜いた独特の風味を持つうどん「一文字うどん」

ご主人、こだわり過ぎ

岡山県瀬戸内市にある人気のうどん屋さんです。ここのお店の特徴は、通常うどん屋と言えばうどんを作りますよね。
こちらのお店は違うんです。小麦から作るんです。もっと言えば小麦が育つ環境の土地作りからこのお店はやってます。
よく飲食店で注文の品がなかなか出てこない時に、魚を使った料理であれば「ちょっと待ってね！いま釣りに行ってるんで！！」とかなんとか言って笑うんですが、こちらのお店は本当に小麦を収穫して自分の所で粉に挽いてるんで、さすがに粉を挽いてうどんの提供が遅くなるってことは無いですが、「ちょっと待ってね、今小麦を挽いてるんで」って言われると本当にそうじゃないかと思えるところが恐ろしい。

そんなこだわりを持ったうどん屋さんです。国産の安心安全な小麦にこだわりうどんに適した小麦を求めて日本全国を探し回りやっと見つけたのが岡山で生産者しか食べていなかった「しらさぎ小麦」だそうです。

その小麦を自分の畑で生育しそれをお店の備え付けた石臼で小麦を丸ごと挽いて作ります。小麦を植えて育てる農法もまたこだわりです。農薬不使用の合鴨を使った農法で安心安全美味しいものにここまでこだわっています。
そんな化学物質の付着の心配のない小麦なので胚乳だけでなく胚芽や最も外界にさらされていた表皮も含めて自家製小麦のすべてが小麦粉の中に残り独特の黒みがかった色と風味がうどんには残ります。
その風味は食感と共に一口食べれば今まで感じたことのない小麦の風味が分かります。
この風味や食感を出すためにこんなに手間のかかったこの小麦にこだわりこの小麦粉の製造にこだわっているようです。

店内は、基本的にはセルフ店のレイアウトで天ぷらやうどんの入った丼が置かれているスペースを通ってレジでの会計後、うどん梅雨や薬味を入れるスペースで好みに仕上げます。うどんのつゆはこいくちとうすくちの2種類が用意されています。

訪問当日は遅めの訪問だったため商品棚はほぼ空っぽの状態でした。こちらですぐにいただけるうどんはしらさぎ小麦を使ったうどんではなくふくほのか小麦を使ったうどんが置かれているようです。
当日は１つだけ茹でたうどんが丼に入って商品棚に残っていましたのでそれをかけうどんで注文し、このお店のある岡山福岡地区の郷土料理「どどめせ」とうどんのセットになったどどめせ定食をしらさぎ小麦で注文しました。

しらさぎ小麦のうどんは作り置きをしていないようで注文後うどんを打ち始めますので10分ほど商品の到着にかかります。
しらさぎ小麦のうどんを注文すると白鷺の書いた順番待ち札をわたされますのでお茶をすすりながら待つも良し、味比べにすぐに頂けるふくほのか小麦のうどんをすすって待つのもいいと思います。

郷土料理のどどめせと黒いうどんの小麦感に大満足

どどめせ定食は、このお店の地区の郷土料理でお酢の入った炊き込みご飯です。炊き込みご飯をお寿司にしているのかな？と思ったんですがお米を炊く段階でお酢を入れるようです。見た目にはチラシ寿司的な感じですが食べてみるとご飯の香りや食感から炊き込みご飯だとわかります。
酸味のある炊き込みご飯で炊き込みご飯な味は一般的な炊き込みご飯がベースと思われます。お寿司と炊き込みご飯の中間的な味わいで、今まで食べたことのない素朴だけれども新しい味わいが美味しいです。

どどめせ定食のうどんはしらさぎ小麦を使ったうどんで注文しました。小麦の香りが豊かでモチっとした食感が特徴です。全粒粉を使っているのでもっとパス付いた感じがするのかと思いましたが意外にモッチリとした食感で小麦の香りの強さがちょっと今までに食べたことのない風味の味わいです。
こちらはうどんつゆが入った状態で運ばれてきます。濃い口しょうゆを使ったつゆでした。出汁も鰹と煮干しの香りが豊かで醤油の香りと旨味が効いています。

商品棚に1つだけ茹でうどんが残っていました。こちらのうどんはふくほのか小麦を使ったものだという事で食べ比べにかけうどんとしていただきました。
セルフでうどんを湯通しして、うどんつゆを丼に注ぎます。
こちらはうすくち醤油のうどんつゆで薬味にネギと鰹節を入れました。うすくちなので醤油の香りは控えめになりますがその分、鰹節の香りを効かせていただきました。
うどんは小麦が違いますがこちらの方は若干のど越しつるッとした食感で香りは若干控えめでしょうか。それでも通常のうどんよりは遥かに強い香りを放っています。もちろん自家製粉の黒みがかったうどんです。

岡山の町より少し離れた場所にありますが、このこだわりはわざわざ行く価値があります。特にうどん好きを自称する方には一度は味わってみることをお勧めします。