ルートによっては本家以上に危険!!高知の投入堂「聖神社」

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聖神社について

聖神社場所

高知県高岡郡越知町の小日浦地区にある断崖絶壁の岩壁に建てられている神社で「土佐の投入堂」とも呼ばれているそうです。

聖神社保存会の解説によると祭神の不動明王像と修理棟札から明治11年(1878年)には存在していたことがわかるが、堂内にある「鰐口」の形態等から推測すると、江戸時代後期まで遡る可能性があるそうである。本家鳥取県の投入堂が三徳山の開山を役行者がしたのが706年、はっきりは分かっていないそうであるが安置されていた蔵王権現立像や使用木材の研究調査より投入堂は1000年頃の創建だそうですので約900年ほど時代が異なります。

先日、三徳山の投入堂へ登山してきました。危ないって書いてあるけど観光客も多そうだし大したことないだろうってハイキング気分での観光参拝で臨み一歩間違えれば本当に命の危険がある場所もあり、修験道の場である投入堂と事前予想とのギャップに驚きつつの参拝を体験しました。(詳細はこの記事見てね)

そんなこともあり、越知に土佐の投入堂といわれる場所があり越知観光協会の写真を見ると確かに似ていましたので興味が湧いてきて早速行ってきました。

駐車場と2つの登山ルート

高知県越知町の国道33号線を高知方面から松山方面へ車を走らせると越知町の中心街を抜け仁淀川を渡る手前の信号を左折します。丁度交差点の信号付近に大タヲ山・聖神社の案内看板があります。途中要所要所に緑色の統一された書き方の看板で案内があるのと道が比較的単純な一本道に近いので迷うことなく聖神社下の駐車場までたどり着けるかと思います。駐車場付近には作業小屋的な建物が突然現れ休憩所と3~4台ほど停められる駐車スペースがあります。この駐車場が聖神社へ登山の起点となります。聖神社は駐車場のそばを流れる沢を挟んで沢の上流を見上げて右手に聖神社が立っています。

登山ルートは沢を挟んで2ルートあり、沢の上流を見上げて①左側のルートは聖神社を遠景より眺めることができる対岸の展望所を通って神社まで登るルート、②右側は直接聖神社へ登るルートです。

今回は、どうせ登るなら展望所を通って神社本殿に行けた方がいいかなと思って①の対岸ルートで登って②の直接ルートを通って降りてきました。両方通ったので分かりましたが、この2ルート聖神社への距離も全く異なりますし危険性も全く異なります。

主観的な表現になりますが、本家三徳山投入堂の登山ルートを危険度100とすると②の直接ルートは80ぐらい①の対岸ルートは300ぐらいかな?と思います。

①の対岸ルートは足場が非常に狭く、足場を踏み外したり滑ったりすると即滑落という場所が多く危険性が非常に高い場所が延々と続く非常に危険なルートでした。柵やロープなどの掴まるものもなく丁度落葉のシーズンで落ち葉が積もり滑りやすく観光化されていないので利用するなら相当の覚悟が必要です。雨天後や今回のような落ち葉の季節は、事故防止のため対岸からの眺めを捨ててでもこのルートは通らない方がいいと思います。

②で登って吊り橋を渡った所で折り返して②で降りてくることをお勧めします。

聖神社登山口からマンガン洞窟まで

絶対おススメルートはこちらの聖神社へ直接登るルートです。駐車場から20分ぐらいで神社本殿に着くと思います。こちらなら滑落の危険性はほとんどありません。登山道の勾配もこちらの方が緩やかですし、登山道の幅も広いので登りの方と下りの方の行き違いもできます。夏場はマムシがいるようですので誤って踏まないように注意しましょう。駐車場より5分ほど歩くと鳥居がありますので鳥居をくぐってちょっとした急勾配を登るとマンガンの採掘跡の洞窟手前に着きます。ここが対岸ルートとの合流地点です。

洞窟手前より神社本殿まで

この合流地点に聖神社と洞窟渓谷の立て看板があります。洞窟の入口まで行くと行きすぎですので5mほど戻りましょう。ここより上方へ登るルートが聖神社本殿への道です。ここからは10分もかかりませんが急に勾配がきつくなります。

合流地点より上方へ登るルートへ入り50mぐらい進むと急勾配の登山道になります。

くさりや階段、手すりが設置されていますので勾配はきついですが危険性は少ないです。ただし手すりの外は断崖絶壁ですので気を抜かずに慎重に行きましょう。くさりや階段を利用しさらに50mほど進むと神社本殿が見えてきます。

神社本殿

神社本殿はその場に行ってもほぼ絶壁の端っこに建てられているのが驚きを感じます。

お宮の中には不動明王の石像がまつられており隣には絵馬の奉納とおみくじも置かれています。不動明王は修験道で信仰を集めている仏様で災いに打ち勝ち立身出世や商売繁盛などのご利益があるそうです。奉納されている絵馬は学業成就の願掛けの物が多い様に思いました。

また、パワースポット巡り芸人という企画番組でTKO木下さんが来ていたようでその時の写真も飾られています。

窓から見える眼下の景色は丁度紅葉が始まったばかり広葉樹が美しい、爽快な断崖絶壁下だけでなく真横も垂直の壁でここにお宮を建てそれを修復維持してきた信仰心に頭が下がります。

洞窟と渓谷

2ルートの合流地点より少し対岸ルート寄りにマンガン鉱山の頃に掘られた洞窟があります。長さは7mほどの短い洞窟ですが中は真っ暗です。

神社側より抜けると沢に抜けることができ吊り橋が架かっています。すぐ横には滝があり神社本殿に並ぶ見どころです。

吊り橋は手作りのつり橋で定員は3名だそうです。一歩一歩歩みを進めるたびに大きく揺れますのでちょっとしたスリルも味わえます。

渓谷から対岸展望所

吊り橋から先のルートはかなり危険を伴います。滑落すればただでは済まないような場所に幅20㎝~30㎝ほどのいつ崩れるかわからない足場を10m以上も手すりも柵もない場所を通る必要があります。たまにワイヤーやロープが備え付けられている場所がありますが、それ以上に危険な場所に何もなかったり一時も気が抜けません。

上の写真の様に丸太で通路が付いている場所は全く足場のないこの一カ所だけであとは下の写真の様に落ちるともうおしまい的なルートが多いです。ちなみに下の2枚の写真の足場は広く見えるかもしれませんが実際には幅が20㎝ぐらいしかないです。

このような恐怖のルートを通って見られる景色が下の写真のような景色です。それなりに満足感はあります。けれど繰り返しになりますが、足場の悪い雨の日や濡れて地盤が柔らかくなっている時、落ち葉の季節など滑りやすいと思われる時期はこのルートはやめといた方が賢明だと思います。

最後に

今回は、知らなかったために想像以上に危険な対岸ルートを通って聖神社本殿に登りました。

苦労と恐怖の末やっとたどり着いた本殿でのお参りを済ませおみくじを受けてきましたがその場でおみくじの結果、悪い結果だったら下山の際の身の安全を考えると怖くなりおみくじは家に帰ってから開けることにしました。だって凶とか出たら帰りの道中が心配になりますよね。結果的には帰りのルートは高低差もなだらかで登山道も広く安全に変えることができました。

そこで、気になるおみくじを家で開いてみましたらなんと!大吉!!心配することなかったようですが、大吉でも内容があまりいいことを書いていない大吉です。特に旅立ちとかは「利少なく帰路に注意」でしたからやっぱり開けなくて正解だったかもしれません。

おみくじ開封前
おみくじ開封後

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