広島県立美術館前、落ち着いた雰囲気が心地良い地下空間の隠れ家フレンチ「ル カドゥ (Le K2)」

Pocket

地下へ延びる狭い階段で落ち着いた食事への期待感が膨らみます

2018年ミシュランガイド広島愛媛特別版で一つ星のフレンチレストラン、2018年版での初掲載店です。お店の場所は、広島県立美術館前の交差点に面したビルの地下1階にありますが、お店の名前もレンガの外装に小さく記されているだけで大通りに面している割には正直言って非常に分かり難い場所にあります。扉を開けると真っすぐに地下へ延びる階段があり階段が程よい狭さでなんだか秘密の地下空間へ入るような感覚で店内へ入っていきます。

大きなワインセラーと落ち着いた室内空間

店内に入るとすぐに大きなワインセラーが目に入ります。座席は、ワインセラーの前にカウンター席が6脚、別室に4人掛けのテーブル席が2席あります。テーブル席の置かれている部屋は4名利用だと2組、4名以上の利用だと1組だけの個室となり照明もテーブルの中心にスポット的な照明で落ち着いた雰囲気の中でゆったりとした食事がとれる環境です。今回は、私たち2名のほか、ご夫婦が2名での利用で2名×2組の利用でゆったりと落ち着いて食事することができきました。個室ではないけれど、お互いに大きな声で話すことなく丁度良い距離で会話を楽しみながら、全く他のテーブルを意識することなく静かに落ち着いた時間を過ごせましたので非常に快適でした。

ワインはおまかせでも的確なチョイス

今回は、ディナーでうかがい税込み8,000円のスタンダードコースでの食事です。ワインはペアリングのコースもあるようですが、二人ともあまり飲めないのでペアリングせずにグラスでの注文としました。けれども、グラスワインの注文でも決まったものが固定で提供されるのではなくその日の料理と好みに合わせての提供となっていますのでシェフが事前に相性の良いものをチョイスしてくれているそうです。その為、ワインの注文は泡、赤、白、重めやフルーティなどと言った好みでの注文や次の料理に合いそうなものと言ったおまかせでの注文でも受けてくれるようです。今回は大体おまかせ的な感じでコースの順を見ながら少し好みを伝えてお願いしました。
席に案内されるとテーブル上のスポットライトが当たっている場所にショップカードの様な物が置かれています。そのカードには、コースの各料理で主に使っている食材が書かれておりこの時点ではどんな料理ができ来るのかは分かりません。

自家製パンが小麦の香ばしさが際立っていて非常に美味しい。特にハード系のバケットがどのメニューとも相性が良く穀物の小麦をそれぞれのメニューの付け合わせに加える感じ。

1皿目前菜 若鶏とインゲン豆

大葉風味の若鶏のムースと鞘いんげん 赤玉ねぎのドレッシング和え
ほんのり大葉の風味と玉ねぎの甘みと旨味が非常の美味しい、コースの始まりにやさしい味わいのさっぱりといただきました。

2皿目前菜 鮎とズッキーニ

鮎のフリットと自家製魚醤ソースのズッキーニソテー
この2皿目の鮎とズッキーニが本日のお気に入りNo.1‼
四万十川の鮎だそうですが鮎のフリットのうまさはもちろんですが程よい硬さに火が入ったズッキーニのうまいのなんのって写真じゃ分かり難いかも?自家製魚醤の香りと旨味に鮎のワタの旨味と苦みがしっかり目に感じる塩味とも合わさってとにかく非常に美味しい逸品でした。スタートの一皿目でやさしい味わいの鶏肉の次がこのガツンと来る風味の前菜、あぁ 食欲に火が付きます。

3皿目前菜 ヤングコーンと夏トリュフ

ヤングコーン 卵とサマートリュフのソース
ヤングコーンの未熟なトウモロコシの香りとほのかな甘みとトリュフの香りのする白い黄身を持つ卵のソースの前菜で先ほどの魚醤と鮎のワタの濃厚な旨味とは方向が変化し強烈な個性を持つ香りとヤングコーン特有の歯ごたえを楽しむ一皿でした。

メイン魚 穴子とナス

茄子と穴子のポアレ 赤ワイン山椒ソース
脂の乗った柔らかい穴子に山椒の香りのする赤ワインのソースで広島の素材と日本の調味料を使用したフレンチがこちらのお店ならではの味わい。茄子の美味しさはもちろんですが穴子の脂がこの料理全体の旨味を増幅し非常に満足度の高い魚料理でした。

メイン肉 シャラン鴨

シャラン鴨のロティトリュフソース
鴨の濃厚な味に負けないトリュフのソース、赤ワインをおまかせで追加してワインとの食べ合わせを楽しみます。普段食べている鶏では絶対に感じられない鳥肉らしからぬ歯ごたえと噛みしめるほどに感じられる鴨肉特有の香りと旨味が美味しい。全く嫌な臭みは無くソースに使われているトリュフの香りが食欲をそそる。添えられているあまとう美人や蕪もそれぞれの野菜の特徴が感じられ美味しい。

デザート スイカ

2種のスイカのソルベ
黄色いスイカと赤いスイカのシャーベットです。どちらも非常に濃厚なスイカ味でシャリ感がないスイカそのものって感じです。それぞれのスイカは少し香りが違うし甘さも違います。見た目も、冷たい食感も楽しいデザートでした。
こちらのお店はデザートが2皿って所も特徴だそうです。そういえばミシュランでも「マダム考案のデザートにも注目したい」って書いてましたね。

デザート クレープショコラ

クレープショコラとスパイスチョコレート(チリ、ホワイトペッパー、ローズマリー、アニス)
コース最後の皿はくるっと巻いた少し厚めのカカオ味のクレープの中に4種類の香りの違うスパイスの練り込まれたチョコレートが入っています。食べる場所によってローズマリーの香りがしたりアニスの香りがしたり味と香りの変化が楽しいです。普段コーヒーはブラックしか飲みませんが、エスプレッソだけは砂糖多めのかなり甘めに仕上げて濃厚なコーヒーならではのチョコレート感を楽しみますがなんとなくクレープと被る気がして今日は少し砂糖を控えめです。これなら通常のドリップコーヒーにすれば良かったと少し後悔です。

お店の情報

ル カドゥ (Le K2)
住所:広島県広島市中区上八丁堀3-12 新興ビル B1F
電話:050-5592-5646
営業時間:【ランチ】12:00~15:30(L.O.13:30)
     【ディナー】18:30~23:00(L.O.20:00)
定休日:日曜日(※月曜日のランチはお休み)

Follow me!